【糖質制限基本の「き」・31】
こんにちは。株式会社アスクレイ代表取締役 医学博士 松田 俊哉です。
前回のコラムでは、糖質の過剰摂取によって体内で起こる「糖化」という反応や、それにより生成されるAGEs(終末糖化産物)が健康や美容に及ぼす悪影響についてご紹介しました。。
今回は、AGEsを体内で作らせないために、どんな食材を選べばいいのか、そしてどのように調理すればAGEsの生成を抑えられるのかについて、具体的な例とともにご紹介します。
AGEsの生成を抑える食品と栄養素
以下のような食材は、AGEsの生成を抑える効果が期待されます
抗酸化作用の高い野菜
ブロッコリー・ほうれん草・ケールなどの緑黄色野菜
ビタミンC・Eやポリフェノールが豊富で、糖化による酸化ストレスを抑える働きが期待されます。

果物の摂取は控えめに。アボカドは例外
果物には果糖(フルクトース)が多く含まれており、これはAGEs(終末糖化産物)を生成しやすい糖質です。
研究では、果糖はブドウ糖よりもAGEsを約10倍速く形成するとも言われており、糖化の観点からは注意が必要です。
そのため、基本的に果物の摂取は控えることをおすすめします。
特に、甘みの強い果物(バナナやぶどうなど)、果汁飲料、ドライフルーツはAGEsを増やしやすいため、避けるようにしましょう。
ただし、アボカドは例外です。
アボカドには果糖がほとんど含まれておらず、代わりにビタミンEやグルタチオンなどの抗酸化成分、良質な脂質、豊富な食物繊維を含みます。
血糖値の安定や糖化予防に役立つため、糖質制限中でも安心して取り入れられる食材です。
食物繊維が豊富な食品
海藻類(わかめ・ひじき)やキノコ類(しめじ・えのき)
糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぐ
クエン酸を含む食品
レモン・酢・梅干し
糖の代謝を促進し、糖化を抑える働きもある
AGEを抑制するポリフェノール食品
緑茶・カカオ(高カカオチョコ)・赤ワイン(少量)
AGEsの形成を抑制する効果が一部の研究で確認されています。
※摂取量には注意が必要です
AGEsを増やさない調理法とは?
AGEsは、特に「高温での調理」や「乾燥した状態」で多く生成される傾向があります。
避けたい調理法
揚げる・直火で焼く・こんがり焦げ目をつける
おすすめの調理法
蒸す・煮る・茹でる・スープにする
簡単!AGEs対策レシピ
温野菜と鶏むね肉の蒸しサラダのポン酢がけ
ブロッコリー、にんじん、キャベツ、鶏むね肉(皮なし)、ポン酢
具材を蒸して、ポン酢をかける
高温焦げがない「蒸し」調理でAGEsを抑えることができます。
きのこたっぷりの味噌汁+ひじきの煮物
味噌汁:しめじ、えのき、豆腐、わかめなど
煮物:ひじき、大豆、人参をだしと醤油でコトコト煮る
どちらも低温で加熱しましょう。血糖値の上昇も抑える組み合わせです。
梅酢ドレッシングの海藻サラダ
サラダ:わかめ、もずく、きゅうり、トマト
ドレッシング:梅酢+オリーブオイル+少しの醤油
クエン酸×食物繊維でダブルのAGEs対策になります!

AGEsの蓄積を防ぐには、食材選びや調理法を少し意識するだけで、大きな差が生まれます。
「蒸す」「煮る」「生で食べる」といった調理の工夫を取り入れ、糖質制限とともに抗酸化作用や抗糖化作用が期待できる食品を日々の食卓に積極的に取り入れることで糖化を抑え、体の内側からのエイジングケアを心がけましょう!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
糖質制限アプリは、皆様の糖質制限生活を応援しています。